Aug 23, 2010

出産ドキュメント ~それは13日の金曜日~

序章からの続きです。

注:
・かなり長いです。備忘録代わりに思い出せる限り書いています。
・途中で実もフタもない生々しい表現が出てきます。そういうのが苦手な方(特にデリケートな男性の方?)はショックを受けないようにご注意ください。
・出産に関する感覚は人それぞれ違いがあると思います。あくまでも一つの例としてご参考下さい。
・途中の時間経過は、本人の記憶が曖昧なところがあります。


8月12日

午後9時半
これはもしや、これこそ陣痛じゃ・・・と思っているうち、10~15分間隔での痛みがやってくる。ただ、この時点では強弱も間隔も波があり、しばらくソファに横になり様子を見ることに。しかし、頻繁にトイレに行きたい感覚があり、ソファとトイレを何度も往復。

しかし、こりゃちょっとマズイことになったわと思う私。

実は相方の兄から、生むのは予定日通りの12日にして欲しい、というリクエストが入っていた。その日は彼が仕事のオフを取っていたという理由で・・・ま、それは半分冗談だとしても、彼はまた、この翌日の13日が「金曜日」だからお産は12日中にしたほうがいいよ、とも言っていたのだ。(んなこと言われてもだけどね。)

この時点で既に12日は残り3時間余り。今からお産が始まると、出産は明日かも・・・

我が家は敬虔なクリスチャンという訳ではないので、別に13日の金曜日だろうが気にする必要はないわけだけど、でもやっぱりあの映画のせいで、この日付はとてもイメージが悪い。どうにかならないかな・・・

11時半
・・・そんなこんな思っているうちに痛みはだんだん強くなり、まだ強弱と間隔に波があるものの、短いときは4~5分となった。Prenatal Classで教わったのは、5分間隔になったら病院に向かうという事。私がトイレに出たり入ったりしている間に相方は既に病院に電話を入れていたようで、やはり5分間隔になってから来るようにと言われたらしい。

実は、私の家は母も妹も超クイック出産をしている。(2人とも初産の時で陣痛開始から2~3時間で出産に至っていて、2人目に至っては1時間・・・)もしかしたら私も・・・と思ってはいたけど、2人には及ばないまでもやっぱり進み方が早い。母は10分間隔の頃から、病院に行ったほうがいいと言い続けているし・・・ここで、まだ間隔の波はあるものの、病院に向かうことに。

用意していた入院荷物を車に積み込み、車の助手席には枕を持ち込み、座席を思いっきりリクライニングにして相方と出発。母には家に残ってもらう事にした。相方にしては超・慎重な運転で、15分ほどで病院へ到着。夜なのでEmergencyの入り口から、車椅子を貸してもらって産科に到着。

すぐに分娩室に通され、着ている物をすべて取り、ナースに病院のガウンに着替えるようにと言われる。これがペラペラで、後ろはごく簡単に紐で結ぶようになっているのだけど、いきなりお尻が丸出し・・・でも文句言ってる場合じゃない。モニターの機械をお腹に装着される。この時点で、日付が変わっているな、と確認。痛みがない間は普通に話したりできるものの、痛みが来ている時はかなり辛い・・・。


8月13日 金曜日

0時過ぎ
20分ほどのモニターの間、痛みを和らげるため笑気ガスが用意された。さっそく試す相方(なんであんたが!)。痛みが来そうになったら吸うようにと言われ試してみたものの効果のほどは・・・良く分からない。でもなんだか胃がムカムカするような感覚を覚える。

モニターの結果をナースが確認に来て、陣痛は4~5分間隔、既にActive Labourに入っているという事でこのまま入院決定。子宮口の開きは4cm。ナースによればこの様子だと翌朝6-7時頃に全開になるのではないかということ。

ところで分娩室のベッドはシングルベッドよりも幅が狭く、しかも、背中にあたる部分が折れ曲がってリクライニングするためにごつごつしてこの上なく寝心地が悪い。このままここで朝まで過ごすのはツライ~、と相方に訴える。

その後、痛みがやってくるたびに笑気ガスを吸ってみるものの、やっぱり効果は「?」。ナースから、他のPain Medicationの希望はある?と聞かれたけど、とりあえずこのままで様子を見ると返事。Epidural(無痛分娩の麻酔)は、最後の奥の手に(できれば使わずに)・・・というつもりでいた。

私自身は痛みですーっかり忘れてしまっていたけど、陣痛時のケアとしてバッグに入れていたSajeのアロマセラピーキットのCalming Mistの存在を相方が思い出してくれ、タオルハンカチにスプレーしてくれた。香りを嗅ぐとやや気分が良くなった。痛みはそれほど和らがないけど。でもBirthing Blend(オイル)の方は結局使わずじまい・・・って言うかそんな余裕がなかった(汗)

だけど、その後胃のムカムカする不快感の方が一層激しくなってしまい、耐え切れず戻してしまった。ベッド脇にあった紙のトレイをナースが差し出してくれ、間一髪・・・。

1時
その後痛みもどんどん激しくなり、辛くて、このまま朝までかかるようなら、エピデュラルを頼もうかと考え始める。それは、進み具合にかかっているので・・・ナースに、痛みが来る度に子宮口が押されて開いている感覚がすると伝え、再び内診してもらう。確かに開きは進んでいて、7cmぐらいになっているとの事。ここでナースも、進みが速いということに気づいてくれた模様(ホッ)。

この頃、もう一度気持ち悪さが激しくなり、再び大量に戻してしまう。もはや特大ステーキの意味全くなし。むしろそれでもたれたのか・・・。相方は「あんなに食べさせてゴメン~」とベッドの横で謝っていた。こうなると分かっていたらそんなに食べなかった~(でも仕方ない)。ナース曰く、吐き気は笑気ガスのせいではなく、このぐらいのステージでは良くある事とのこと。アロマの香りでちょっと癒された。やっぱり持ってきておいて良かった・・・。

水分補給のため、腕にIVが付けられ食塩水の点滴をされた。そしてここからは飲食禁止とのお達し・・・。これ以降喉が渇くときは一口ずつ水を飲んだ。ツライ・・・。

1時半
さらに痛みは激しくなり、再びチェックするとほぼ全開になっているとの事。ドクターを呼ぶから、とナースに言われる。

再びPain Medicationの希望を聞かれるが、全開になっているという事は、もはやエピデュラルの選択肢はない。ナースから、即効性のmorphine(モルヒネ)を勧められ、それをお願いすることにした。腕のIVから注薬するとすぐに視界がグルグル回り始めるけど、気分はスーッと楽になった。ただし、モルヒネは痛み自体を取り除く作用はないという事で相変わらず痛みは来る。多少乗り越えやすくなった感じ。

2時頃
ドクター登場。本日の担当は、Dr. C。この病院の5人の女性ドクターの中でも主格のベテランDr.。安心!

モルヒネで気分が良くなっている私がペラペラと話すので、ドクターがナースに、これでどうやって全開だって分かったの?と聞いていた。それまでは話すもの辛かったんだけど~。

ドクターにより再び内診。しかし・・・全開(10cm)かと思われた子宮口は結局まだ8cmぐらいだったらしい。これで、ここからまた待たされる事に。

それから、担当Dr.の他にもう一人、他の病院の若手の女性Dr.がブラッシュアップの研修?のためにチームに加わった。すなわち、Dr.2人とナース1人のチーム。ナースさんは途中で交替の時間になり、別の人に代わった。ベテランDr.は若手のDr.に、私のカルテからこれまでの経過などを説明していて、36週頃に彼女が私を診察した際、Braxton Hicks Contractions(妊娠後期に起こる、不規則な子宮収縮)が起こっていた、と説明していた。・・・私そんな事聞かなかったですけど~。


3時~4時頃
8cmからなかなか進まない。モルヒネは即効性だけど効果も短いらしく、追加でもう1本入れてもらう。また視界が回る・・・でも、もう痛みのほうがかなり激しくなってしまって効果はあんまり感じられない。

この辺から、時間の記憶がかなり曖昧になっている。

陣痛の波とともに、いきみたいというか押さずにはいられない感覚もどんどん強まってしまい、それを逃すのがかなり困難になってきた。相方にさすってもらったり、ベッドの横の柵と、相方の手を力一杯握ってとにかくやり過ごす・・・でももうムリ!いきみたいと訴える度に、ナースからまだ全開じゃないからいきんじゃダメ!と言われてしまうのだけど・・・。

確かこの辺(記憶が曖昧)で、ナースから、ベッドの上で四つんばいの体勢になって30分ぐらい待つようにと言われる。赤ちゃんの向きがこれで変わるかもしれないから、と言ってたんだけど、何で変える必要があるのかが分からない。でも、もうそんな事聞く余裕もないので、言われるままにそうする。(理由は後で判明)

そして確かこの辺りで、人工破膜により破水(でも記憶が不確か)。色はクリア、とのこと。

5時頃
ようやく子宮口全開・・・になったのかどうなのか(記憶が曖昧なせいかそう告げられた記憶はないのだけど)、ドクターから「いきんで」と言われ、陣痛の波と共にいきみ始める。

母や妹から聞いていた話では、2~3回いきんだらスポンと出る・・・というはずだったのに、ちっとも出る気配がない。(注:彼女達はスーパー安産体質なのでこの話は一般的にあまり参考にならないかも)

その後も、横向きになったりしたりしながらいきみ続けたけど、やっぱり仰向けのほうがいきみやすくて、ナースに片足を抱えてもらい、自分でもう片足を抱えながら、数十回・・・というのは多分私の記憶が誇張されているからで、おそらく実際は十数回、陣痛の波と共にいきむ。

ちなみにここで教わったいきみ方は、「(陣痛の波1回につき)10秒いきんで息継ぎ、また10秒いきんで・・・を3~4回繰り返す」というもの。といってもいつも3回が限界だった私。

ところで、陣痛というのは、実際は痛みだけではなくて・・・正直に言うと、最初に痛みが始まったときから最後の最後までずっと

「特大の便秘」

の感覚だった。なんか違うとこからなんか出そう!(正直すぎてすみません!)という感覚が常にずーっとあり・・・これもDr.に訴えると、「それはそういうものだから」とのお答え。・・・というわけで、いきむ時には、まさにトイレできばる時の様な力の入れ方をしていたわけです。というか、途中でそのようにし始めた時から"Great push!"と言われる様になったので、きっとそれが正しいんだろうと・・・。

ちなみに隣でずーっと私に張り付き、応援してくれていた相方はいよいよヒートアップ。Dr.よりも声を張り上げて"Push! Push! Push!"と・・・応援はありがたいんだけど、Dr.の合図が聞こえないよ!それにしてももう全開なんてもんじゃない状態の私を上から覗き込み、様子を伝えてくれるんだけど、これでいいんだろうか?と一瞬思ったり。

6時頃
さすがにもう疲れた、休みくれ~!と思い始めた頃、ようやく中から動き出した感覚が。その次にいきむとき、合図と共に一時休止するようにと言われる。その時、おそらく頭が出たのだろうけど、自分では分からなかった。(いきみを止めるのは、おそらく首にへその緒が絡んでいないかを確認するため。)そして、もう一度いきんだ時、とうとう・・・

ムスコ誕生!

すぐに大きな泣き声をあげました。

相方、床に突っ伏して泣いております・・・一方私は、体力消耗しきっていたのと、ようやく特大便秘(しつこくすみません!)から解放されたのとで放心状態でありました。後で聞いたら相方、ヒートアップする余り危うくDr.を差し置いて赤ちゃんを取り上げそうになってたそうです。危ない危ない・・・。

この前に、時計が6時を回っていたのは覚えているのですが、正確に6時何分だったのかは分かりません。後でカルテ見たら6時00分って書いてあるし・・・もしかしたら誰も時計を見ていなかったのではあるまいか。いい加減さがやっぱりカナダ~。

この後、相方によってへその緒が切られ(これはもちろんDr.の計らい)、ベイビーはそのまま私の胸に置かれ、カンガルーケア。・・・不安的中で13日の金曜日に生まれちゃったムスコですが、胸に抱いてみたらもう嬉しくて、そんな事どうでもいいって思いました。言うなれば、13日の金曜日に生まれてきた天使です。

その間、私は後産(胎盤を出す)のと、切れてしまった部分の縫合をされていました。私は後産もいきむものかと思っていたんだけど、そんなことせずとも出てきました。出てきた胎盤はボールに入れられ、見せてもらえました。Dr.曰く「立派な胎盤よ~」との事。確かに、こんなにでっかかったのか!という感じ。ここで、欲しいといったら貰えたかもしれないけど、もうこの時にはどっちでもいい~と思ったので特に希望はしませんでした。(人によっては胎盤を食べる事もするらしいですよ。栄養価が高いから。)

処置が終わった後、ベイビーは部屋の奥で体重測定。さて、気になるベイビーの体重は・・・なんと3,568グラム!どっひゃ~、でっかい!どおりできばっても出てこないはずだわ・・・。この後入院中、色んなナースさんにtinyなあなたにしてはbig babyねぇ!と言われ続けました。(tinyと言っても160cmのわたしゃ日本では小柄ではないのですが・・・。)

結局、40週1日の「ほぼ」予定日通りでの出産でした。陣痛の始まりからはおよそ9時間、入院からは6時間でのお産でした。若手のDr.曰く「私の中ではトップ10に入る、順調なお産だったわ」との事。

ただし・・・
後から知ったのですが、お腹の中でのベイビーの体勢は実は「裏向き」=posterior position(※)になっていたそうなのです。
(※頭は下にしていたものの、出てくるときに顔が上を向いてしまっている、いわゆる「サニーサイドアップ」という状態。出てくるときに顔が下を向いているanterior positionが最も一般的で、お産も楽なポジション。)

posterior positionの場合、anterior positionに比べて赤ちゃんが出てくるのに時間がかかり、また、赤ちゃんの背中がお母さんに当たるため、腰痛を起こしやすいとのこと。私の「特大便秘感」ももしかしてこのせいだったのか・・・?

妊娠中から赤ちゃんのポジションは気になっていて、検診のときに聞いたりしていたけど、なんせ超音波はしないので、あくまでDr..の触診(お腹の上から)での診断で。でも、そのときは特に問題ないと聞いていたのだけど・・・。いつの間に裏返ったのか。

ちなみに相方に聞いてみたら、結局出てくる際に回転はせずに、出てきたときには顔が上を向いてたらしい。それで、顔だけ出たベビーと目が合ったんだ!との事。ホ、ホントかよ~!

それはともかく・・・これがなければ私ももっとスピード出産だったのかもしれない。いや、このポジション&ベビーの大きさを考えれば、これでも十分スピード出産と言えるのだけど。ちなみにナースさん(1人目)には、この次生む時は陣痛が来たら即刻来なさい、と言われてしまった。やっぱり、家系かも。。。

その後、再びベビーは私の元に戻され、今度は初の授乳。もちろん母乳はまだ出ませんが、これを分娩後早くするほどその後の母乳の出が良くなるのだそう。教えられずとも勢い良く吸い始める息子にこれまた感動。生命って不思議だな~。

この後、滞在する病室の準備が出来るまでそのまま放って置かれたので、結局1時間半ぐらいずっと出ないお乳を吸い続けたムスコ。吸うのに飽きたようならもう片方に変えてねとは言われたけど、いつやめていいか言われなかったし・・・でも、ネバーギブアップ!と言わんばかりにその間一切口を離そうとしなかったムスコよ、あっぱれ。

そのままの状態で、分娩室に朝食が運ばれてきました。(胃が空っぽだったせいもあると思いますが)一仕事した後は空腹で、ムスコを胸に乗せながらほおばったトーストとお茶の美味しかったこと!

さらにそのままの状態で、両家の母が到着。感動の対面となりました。

出産ドキュメントはこれでお終いです。

入院時の話はこの後に続きます。

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8 comments:

shiki said...

ご出産、おめでとうございますー!!

ブログを読みながら、
涙が出てしまいました。
(会社で読んでるのに・・・(笑)

私は結婚したばかりなので
子どもはまだまだ先ですが(たぶん)

いつかは欲しいなぁ~
と思ってしまいました★

また息子さんの写真、アップしてくださいね。

junco said...

ホントお疲れさまでしたー。
私の同僚も、お子さんが13日の金曜日に生まれたらしいんだけど、It's a new lucky day! と言ってましたよ:)

ベイビー氏(もう少しで、ベイビーヨーダ君って書きそうに・笑)の名前、決まりました?

karin said...

ご出産おめでとうございます。そしてお疲れ様でしたー!臨場感たっぷりのレポート、ドキドキしながら読みました。

わたしも13日の金曜日生まれです…。
そのせいか(?)悪運は人一倍強いです!!
なぐさめにならないですかね?笑

2006年2月から1年間バンクーバーに滞在していたので、ダウンタウンですれ違っていたかもしれませんね(^-^)

次回の更新も楽しみにしています☆

orange said...

>shikiさん
えっ!!!
書いた本人はどっちかっていうとお笑いドキュメントになっちゃったな~、と思っていたのですが、あれで涙していただけるとは・・・ありがたいやら恐縮やらでございます。(もしかして、笑いすぎで、って事はないですよね?)

shikiさん、新婚さんなのですね!今のうちに2人と自分の時間(これも大事!)を大事に、満喫してくださいね~。

orange said...

>juncoちゃん

そう、私もこれから13日の金曜日はラッキーデーということにします!

ヨーダくんの名前、とうとう決まりました~。後でみんなにアナウンスしまーす。

orange said...

>karinさん

ありがとうございます。実もフタもなく書きすぎたかな・・・と思いましたが、そう言っていただけると嬉しいです!

息子には、karinさんにあやかって悪運強く、逞しく生きていって欲しいと思います!(笑)

2006年頃、どこかですれ違っていたかもしれませんね~。

shiki said...

二度目のコメント失礼致します。

いえいえ。感動の涙でございます~
やっぱりお母さんってスゴイ!

私事ですが6月にカナダ人の方と
結婚しました。

今は日本におりますが
来年1月にバンクーバーに移住する予定です。

なので色々と参考にさせて頂いてます★

orange said...

>shikiさん
そうだったんですね~。ご結婚、おめでとうございます!

来年バンクーバーにいらっしゃるのを楽しみにしてますね。